寝たきりの長寿にならないために

日本で高齢者と聞くと、老人、弱者、心配の種、寝たきり、介護の必要な人などあまり良いイメージは浮かんできません。
高齢者は「問題」として存在し、病気、寝たきり、介護と長寿が社会問題になり、せっかく長生きできても本人は寝たきりで「死んだほうがまし」と考え、介護する家族は毎日本人以上に憂鬱な生活を送ることになっています。

北欧の高齢者

それでは福祉先進国である北欧の国に住む高齢者の生活はどうなんでしょうか?
我々は日本で福祉、介護、医療に従事している方々と一緒に北欧の高齢者施設、個人宅を訪問する事が多くあります。
北欧では寝たきりまたはベッドで休んでいる高齢者を施設でも、個人宅でも見ることが少ないです。
これは元気に日常生活を過ごす時間が長く、寝込む時間が短いことだと思われます。
また訪問して驚くことは、高齢者の皆さんが朝からオシャレをして、綺麗にセッテイングされた朝食のテーブルに着かれることです。
これは朝起きて一日の始まりである寝間着から生活着に着替えることが、脳を活性化し、寝たきりを予防する為に誰にでもできる、最も良い方法かもしれません。
朝起きて着替えをし、朝食を食べて庭を散歩し植物の手入れを少しして部屋に帰り安楽椅子に座り読書、編み物等をして午前中を過ごします。
昼食をとった後は安楽椅子に座って昼寝し、施設であれば、みんなが集まって本を読みあう”読書療法”によって脳の活性化をはかります。
個人宅の元気な老人は、午後に友達が集まりおしゃべりをして過ごします。

日本人の高齢者

日本の高齢者・日本人の心情

我々は両親または配偶者が病気とか高齢になって身体が弱ってくると真っ先にベッドを購入します。これは昔から日本では寝て養生する事が最善の方法と信じているからです。
また北欧のように朝生活着に着替えて食堂テーブルで朝食を取らすことが、身体の弱っているその人たちにとって辛い事だから寝間着のままにして、食事をベッドまで持っていき、食べさせてあげる。これは言い換えるならば日本人の優しさ、思いやりではないでしょうか。
しかし今後この日本人の思いやり、優しさが高齢者の寝たきりを増やしていくのではないでしょうか。
ベッドで背を起こして座っている高齢者の方々を個人宅ではよく見ますが、ベッドで座っている姿勢は体力を必要とします。若者でもこの姿勢を長時間続ける事は至難なことです。よってこの姿勢が取れることは、全員とは言いませんが、ちゃんと歩くことが可能な身体能力が残っている事なので、ベッドの代わりに椅子に座って出来るだけ自立生活を過ごす事をお勧めします。

北欧の高齢者

高齢者と椅子

北欧の高齢者は、施設、訪問介護の介護士、ヘルパーさんに対し威張ってはいませんが、堂々としています。 彼らは配偶者、娘、息子、孫のように考え素直に彼らの介護に感謝しています。例えは悪いですが、何時もそこにある、介護をしてくれる道具と考えているのかもしれません。
長い老人の歳月を穏やかに過ごすためには、もちろん専門の介護士、ペルパーさんが必要ですが、自分の居場所をいつも確かにしてくれる椅子の存在も、専門家以上に大事な福祉道具であることは間違いありません。
私たちが扱う椅子は、ただ工場で作られた工業製品ではありません。使う人が生涯友として、また支えとして共に過ごしていける道具を販売しております。
死ぬまで元気で、自分らしく過ごしていただく為にも、老いの歳月を支えていく椅子をお届けする事を誇りにして、邁進していきたいと想っております。

高齢者と椅子